81期棋聖就位式

羽生棋聖、就位おめでとうございます♪


羽生三冠の就位式というのは何度か参加したことがありますが、
個人的には今日が一番嬉しかったです。
というのも、
昨年も棋聖就位式に行っていますが、そのときに羽生80期棋聖
「将棋では大事な意味を持つ81期に対局者となることが嬉しい」と
仰ったからです。


一年後の今日、その大事な意味を持つ「盤寿」の期に
棋聖を就位された羽生棋聖に、心から「おめでとう」と
思いました。


羽生三冠は「応援しなくても勝つ」と思えるほどの
将棋界トップですが、毎回、必ず勝つというわけではありません。
ファンも麻痺しちゃってるところがあるような気がしますが、
やはり羽生三冠も毎局毎局、ど緊張で指していると思うんです。
勝ったときは人並みにほっとされてるんじゃないかと思うんです。


結果的に三連勝でタイトル防衛を果たしましたが、やはり
「楽」ではなかったと思うんですよね。だからこそ
「おめでとう」と言いたいのです。
羽生棋聖ご自身「盤寿に棋聖を獲るのは目標でした」と
語られました。


終始にこやかな羽生棋聖。お祝いの言葉をかけたかったのですが
相変わらず行列がすごくて(汗
今日は近付くことすらできませんでした。
…っていうか、ちゃんと並べよ、ってことでしょうか??w


昨年の経験から、きっと実戦の中から「次の一手」が出題されるだろう
と予測していました。棋譜再現を見て予習しておこうかな、とも
考えたほどですが(笑
出題された手は、私の記憶に鮮烈に残っていました。


深浦挑戦者の2四歩に対する羽生棋聖の67手目です。


↑この大盤を使って、羽生棋聖ご本人から解答と解説がありました♪


なぜ鮮烈に残っているかというと、大盤解説で木村八段が
次の一手」に出題したからw
「なるほどね!」という手・解説でした。
ブログにも残ってるほどです。
http://d.hatena.ne.jp/shogi_green_summer/20100626/kisei81_3


こういう記憶の積み重ねが「直観」になっていくのさ(偉そうに!


して。「羽生棋聖との夕べ」にも関わらず、羽生棋聖に近付くこともなく
何をしていたかと言うと。
始まって直後に、田中悠四段を捕獲。
田中四段はとても数少ない長野県出身のプロ棋士です。
つもる話があるわけですw


信州における将棋文化について(偉そうに!、
今日二人目の主役とも思われる広瀬王位の棋風、
(広瀬王位がご出席されていました。すげー囲まれてました)
マチュアとの対局時におけるプロの心境、
奨励会三段リーグの厳しさについて、等々
田中四段に食事をする時間も与えずに話しこみましたw
楽しかったです♪


田中四段、お付き合いありがとうございました☆


そして今回は勇気をふりしぼって、佐藤康光九段にも話しかけてみました!
佐藤九段もすぐに囲まれてしまって、なかなか近付けません。
もう閉会して、会場の電気も蛍光灯になってしまってから
ようやく一瞬のスキをついて、二人だけで話ができました♪


棋士会フェスティバルで新刊を買ったらサインして頂けますかぁ?
「昨年、本を買ったすぐあとに棋士会フェスティバルで。
 サインはその日に買った本じゃないとダメと言われたので」
「そういう仕組みなんです。あー、そうか、じゃあ
 棋士会フェスティバルのほうが(買うなら)いいかなぁー」


このタメ口っぽい佐藤九段の呟きにキュンキュンしてしまいましたw


「じゃあ棋士会フェスティバルのときに買います♪
 それまでに私が『角換わり』を指すことはありませんからw」
「(笑)それまでに『角換わり』が大きく変わることもないと思いますw」
そうか、現代将棋はそういう心配があるんですね。

佐藤康光の一手損角換わり (佐藤康光の将棋シリーズ)

佐藤康光の一手損角換わり (佐藤康光の将棋シリーズ)

「え?じゃあ棋士会フェスティバルには(申込は)もう?」
「はい♪」
「他の棋士のサイン会もありますから、楽しみにしててください♪」


はい♪と答えたものの、今のところ他の棋士の方々のサイン購入の
予定はありませんw


「将棋を習い始めてまだ一年ちょっとなのに、将棋塾の先生が
 大会に出ろ、って言うんです」
「あー、それなら色んな戦法をやるより、自分に合った指し方を
 発見できるといいですね」
 ↑
というような内容のアドバイスをくださいました♪
まさかアドバイスを頂けると思ってなかったし、そういうつもりで
この話題を出したのではないので、なんて果報者なのだ!と思ったのは
言うまでもありません。
具体的にどんな言葉でアドバイスをくださったのかは、な・い・しょ♪


「今は『寄せの急所 囲いの急所』を読んでます」
佐藤九段、なぜか笑う。
「あれは若いころに書いた本ですから、丁寧に書いてありますw」


ん?今のシリーズは? 今のも充分、おもしろいですけど?
強いて「丁寧に」を解釈するとすれば『寄せの急所 囲いの急所』は
扱う場面は少ない代わりに、いろんな変化を細かく解説されてます。

佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所 (NHK将棋シリーズ)

佐藤康光の寄せの急所 囲いの急所 (NHK将棋シリーズ)


ようやく会場の人も半分になろうかという頃
…ちなみに羽生棋聖にはまだ列が続いていた…
田中四段と広瀬王位がお二人で立っていらっしゃいました。
「やはりお祝いを♪」と思い、広瀬王位の前に
…立ったのは良いのですが
「王位獲得おめでとうございます。
 タイトル戦で千日手は勘弁してくださいw」


つい余計なひと言を言ってしまうw 悪意も他意もないです(汗


広瀬王位、苦笑して
「関係者の皆さんに迷惑をかけてしまいました」
「・・・。まぁそれは事実かもしれませんが」


田中四段に、例え二日目の終盤であろうと、負けるくらいなら
指し直しも辞さない!というのがプロの考えだ、と伺ってましたし、
穴熊はどうしても千日手になり易い、とも教えてもらっていました。
そりゃ深浦王位も広瀬挑戦者も、絶対に退けない駆け引きでしたよね。


「来年もどうなるか分かりません」


え!広瀬王位!来年も穴熊ですか?!
来年も指し直し局は観ないで寝ちゃいますよww


「羽生棋聖とファンの夕べ」ということで、とても和やかな雰囲気の
パーティーでしたが、プロ棋士の語る将棋というのは
和やかな口調の中にも凄みというか、魂というか、そういうものが
宿ってますね。
肌で感じる夕べでした。