棋士×弁護士 読みくらべ

だいぶ前のことですが、ストーカー被害に遭ってました。
犯人は私の盗撮写真をネットに載せ、顔はもちろん
本名、住所、生年月日に出身大学といった個人情報も流してました。


警察に被害届を出したのですが、所轄はとりあえず受け取るだけ。
しばらく経ってから電話がきて
「それは刑事じゃなくて民事。そう桜田門が判断したので何もすることはない」
桜田門ってのは口がきけるんですか、門のくせに。


サイトを見つけてはプロバイダに連絡し消去していたのですが、
ミラーサイトが増えるばかり。掲示板まで立つ始末。悔しくて泣きました。


そんな荒んでいく私をみて母が「弁護士、紹介してもらおう!」
友人のツテで弁護士を紹介してもらいました。疲れてた私は、もう
被害状況を話すだけで「どうせ何も解決しないんでしょ」と思っていました。
しかし話を聞き終わった弁護士が
「なんだ、それ。ひどいな。それは何とかしよう。犯人も馬鹿なやつだな」
その親身な一言でどれほど勇気付けられたか!


当時、弁護士にはプロバイダに対して顧客の個人情報の提供要求する権利が
ありませんでした。あるのは警察だけ。だから余計に「桜田門」にはキレてました。


これは告訴すべき、という弁護士の判断の下、資料を集めました。
訴状は何度も何度も書いてもらい、事実確認をして、それだけで大変な作業でした。
しかしネット上の犯人を特定できないまま告訴した場合、逆に名誉棄損で
こっちが訴えられる可能性があります。弁護士は機会を慎重に狙っていました。


そしてあるとき、犯人が特定できる可能性が垣間見えました。
その瞬間から。訴状を裁判所に送り、犯人に届く頃を目安にあっちこっちに手を回し
見事犯人を特定しました。あっという間のことでした。
到底、私には思いもよらない方法で犯人を窮地に追い込みました。結果、全面勝訴。
あのときの状況を棋風で喩えるなら「さばきのアーティスト」ですね。


今でもその弁護士とは年賀状のやり取りをしています。
「また何かあったら相談にのってくださいね♪…って何かあったら困りますがw」
そんな仲です。


困ったことがあったとき、これはもうどうにも解決しない、と諦めないでください。
弁護士はただの法律の辞書ではありません。解決の方法を考え、動いてくれます。
それは私たち素人が思っているより、ずっとずっと大きな視野で事件を見ています。
なにかあったら、怖がらずに、まずは法律相談センターへ



… って、こんな感じでよろしいでしょうかw(上記は実話です)


さて! 行ってきました「棋士×弁護士 読みくらべ


異色のコラボ? いや、上記のような経験をしてますので、弁護士のアプローチと
将棋のアプローチは共通点が多いな、と私は思います。
基礎力、タイミング、駆け引き、ペース配分に大局観


本日のプログラムは
矢内女王・種村弁護士 vs 北尾女流初段・軽部弁護士 ペア将棋
これ、ペアで指してます? というくらい息のあった接戦。
勝負はこちらで観戦できます♪
http://live3.shogi.or.jp/event/kifu/lowyer100403-01.html


トークショー ”法的思考と将棋の読み”
棋士からは佐藤九段、瀬川四段、矢内女王
弁護士からは溝呂木弁護士、軽部弁護士、秋山弁護士
 ↑ 親身に相談にのってくださる方々♪
秋山弁護士から「裁判のときと将棋のときでは使ってる脳が同じ気がする」
という発言がありました。
そこまで似てますか?? という印象は受けたのですが、上記青字部分で
似てるとは思います。


勉強方法を尋ねられた佐藤九段が「好きだから気付いたら将棋のことを考えてる」と
お答えになりました。
弁護士の方々も、抱えてる案件のことはいつも気にかけている、とのことですが
佐藤九段の「将棋が好き」という感覚で弁護士の方が法律を覚えたか?
司法試験は好きだから受けたの? 勉強のスタンスは大きく違うという印象です。


特選対局 佐藤九段 vs 瀬川四段
プロ棋士の対局を間近で観られるめったにないチャンスですw
片上六段と矢内女王が解説。持ち時間10分。
いつなん時でも真剣勝負、という佐藤九段ですが、300人の観衆の前で、しかも
隣では大スクリーン大盤解説、それでも本気モードですか? と聞きたくなるw


序盤、瀬川四段が解説の言葉にふっと笑顔を見せたときがあったのですが、
それからは二人の世界になってるみたいでした。もちろんイベントであることを
意識されての上だとは感じましたけれど。
終局したときも、周りを一切無視で、二人で感想戦をやってました(笑)
30秒将棋だけで1時間指してましたよw
この勝負も観戦できます。手数にびっくりしますよw
http://live3.shogi.or.jp/event/kifu/lowyer100403-02.html


これらの様子は写真付きでどうぞ☆
http://yomi-kurabe.jugem.jp/


さて。トークショーの最中にあった「将棋・法律クイズ」正解者の他に
抽選で10人に特別賞が。
ええ、引きが強いですね☆ 当たりました(笑)
ようやく佐藤九段の揮毫を手に入れました♪ 早速将棋棚へw


あ、あれ?? 「天衣無縫がいい!」なんてわがままを言うファンww


「手作り」とは仰っていましたが、200席のところ300人のファンが殺到。
女性の参加も多かったらしいです。「あれで?」という感じですがw
棋士の方々、出ずっぱりで大変だったんじゃないかなー と思いますが、
徹夜で綺麗なスライドショーを作ってくださった弁護士の方や
準備をご担当された片上六段、北尾初段はじめスタッフの方、ネット中継の方
とても楽しかったです!! お疲れ様でした!


飛び入り… 飛び込みの遠山四段もお疲れ様でしたw