棋王戦第4局大盤解説

対局は東京将棋会館にて。終局後、対局者が
大盤解説場に登場するという、嬉しいサービス付き。


「将棋もスポーツみたいに無責任に観戦して欲しい」と
いうのであれば、今日の第4局で第35期の棋王戦が決着
しなかったからといって不機嫌になってもいいですか?
もちろん対局にはなんの不満も無いんです。ただ
残念なのです。ファンとはそういうものなのですよ。。


17時からの大盤解説に向かうために家を出た頃は、
手数はさほど進んでおらず、両者駒組みが終わって、そろそろ
戦いが始まるだろうか?という感じ。
しかし佐藤挑戦者の残り時間はもう一時間ちょっととなっていて
「これは早く決着するかもー」という予感がしました。
局面が局面なだけに、17時までに終わるわけは無いと思いましたが。


解説、屋敷九段。聞き手、山田女流三段。
お二人の息はぴったりで、テンポも良く面白かったです。
対局者の指した手の意味の解説よりも、今後の展開の検討が多く
「なるほど、自然な手とはああいうのか」と納得しました☆
今日の対局がそういうものだったからだったと思いますが、
途中までは候補手が幾つもあって、どれも有力そうで
勉強になりました。


終盤は久保棋王の端攻めが強烈で、佐藤ファンにはめまいものの
展開しか解説が無く、私はもしかしたらぶっ倒れるのでは?と
思ったほどですが(笑)
最後の最後までは、解説とは違う佐藤挑戦者の指しまわしが光って
棋譜が届くたびに感激しました☆


終局後、プチ感想戦大盤解説場にてw
対局者の心中を推しはかることはできませんが、表面上は
すっかり将棋に夢中になっていて、観客まで巻き込んで
どの局面でどの指し方が最善だったかを検討。
まったく!プロ棋士ってやつは!!ww


終盤は「詰みがあるかどうか」見切るのが早ければ早いほど良いらしく
たぶん数分のうちにすごい手数を読んでいると思われるのですが、
素人には ぞっ とします。読み切れねー!
ふと、昨年の竜王戦第4局で、渡辺竜王が羽生挑戦者の打ち歩詰めを
読み切ったことを思い出し、またぞっとしました。


棋士のファンとしては残念な今日ではありますが
もう一局、最終局までもつれこむ棋戦というのはいいですね。
思いっきり楽しみましょう☆



ところで。
大盤解説にスポンサー会社の社長がみえてました。小学高学年くらいの
男子児童と話していたので、話しかけてみました。
親戚なのかと尋ねたら、そうではないとのこと。
その男の子は将棋がとても強いので、プロ棋士に指導してもらった方がいい、と
進言している最中だ、とのことでした。
「ふぅん。じゃあ奨励会目指すの?」と尋ねたら、男の子の表情がパっと変わり
大きく頷きました。それは社長もご存知なかった様子。


奨励会。きっともうその歳でプロ棋士になる夢を抱いているのでしょう。
プロ棋士の道は厳しいけれど、登山道ができているだけ羨ましいな、
なんて思ってしまいましたw
奨励会に入会するだけでも難しいから、男の子は自信なさそうだったけど
それでも「入りたいんだ」という気持ちがはっきり伝わってきました。
具体的な夢を持っている人の瞳は、気持ちよいくらい澄んでるんですね。
がんばれ、少年♪